見つめても見つめやしなくても季節は過ぎてゆく
昨日、家を出たら秋の匂いがした。
一昨日までは、まるであと一年は続きますってくらい夏が満ちていたのに
一晩でそこら中に夏が死んでる。
気付けばあんなにうるさかった蝉もすっかりいなくなってしまった。
秋が、いちばん好きだ。
うるさすぎた夏が終わって、これから始まる長く冷たい冬に向かうまでの、この短くてあやふやな季節がだいすきだ。
出会いと別れの春、太陽と喧騒の夏、新年やらイルミネーションで大忙しの冬と違って、うるさくて分かりやすいものが特にない、一年中働きっぱなしの季節の夏休みのような秋。
毎年、この匂いが流れ出すととっても懐かしい気持ちになる。
そして、ちょっと胸が痛くなる。
忘れかけてたこと、忘れたつもりだったけど実は心のくぼみにとりあえず蓋をかけただけだったこと。
そんな蓋を、秋の風はふっとあけてくる。
時間は傷やかなしみを少しずつ癒してくれるけれど、同じように感動や愛情も少しずつ色褪せさせてしまう。
ほんとは、なにひとつ忘れたくないんだけどな。
だからせめて
ひとつひとつその瞬間瞬間を空気ごと閉じ込めるようにやさしく、歌にしたい。かわいくて愛しい歌にして残しておきたい。
もうそろそろその蓋は壊してしまおう。
出来るなら、かわいい歌にしておこう。
思い出はいつだってやさしくて綺麗だ。
いや、やさしくて綺麗に見えたとき"思い出"という名前に変わるのかしら
今年の秋は、どこに行こう。
みんなの
この一瞬の秋がやさしくて綺麗な季節になりますように。
風邪、ひかないでね。
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